Q&Aコーナー 気になる論点(360) IASBによるのれんの公開草案(1)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が2024年3月14日に公表した公開草案(ED)「企業結合‐開示、のれん及び減損:IFRS第3号とIAS第36号の修正提案」(コメント期限:2024年7月15日)(のれんED)では、のれんを償却せず、減損のみのアプローチの維持を提案しています。2020年3月公表のディスカッション・ペーパー(DP)「企業結合-開示、のれん及び減損」では、IASBボードメンバー14名中8名の賛成でしたが、のれんEDの公表も僅差での過半数の支持でしょうか。 |
A
のれんEDの公表には、IASBボードメンバー14名全員が賛成しています。
〈解説〉のれんの非償却の経緯
IASBは、2004年3月にIFRS第3号「企業結合」の公表とIAS第36号「無形資産」の改正によって、のれんを非償却としています。
それ以前は、1998年7月改正のIAS第22号「企業結合」により、のれんは、原則として20年以内①の耐用年数にわたって計画的に償却され、当該年数は、将来の経済的便益が企業に流入すると予想される期間の最善の見積りを反映することとされていました(45項)。また、償却方法は、のれんから生じる将来の経...
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