改正実務対応報告第44号「グローバル・ミニマム課税制度に係る税効果会計の適用に関する取扱い」の概要
企業会計基準委員会 専門研究員 早野 真史
1.はじめに
企業会計基準委員会(ASBJ)は、2024年3月22日に改正 実務対応報告第44号「グローバル・ミニマム課税制度に係る税効果会計の適用に関する取扱い」 (以下「本実務対応報告」という。)を公表した ① 。本稿では、本実務対応報告の概要を紹介する。
なお、文中の意見に関する部分は筆者の私見であり、ASBJの見解を示すものではないことをあらかじめ申し添える。
2.本実務対応報告公表の経緯
2021年10月に経済協力開発機構(OECD)/主要20か国・地域(G20)の「BEPS包摂的枠組み(Inclusive Framework on Base Erosion and Profit Shifting)」において合意が行われたグローバル・ミニマム課税には、図表1に記載した3つのルールがある。
【図表1】グローバル・ミニマム課税のルール
ルール内容所得合算ルール(Income Inclusion Rule(IIR))軽課税国にある子会社等の税負担が基準税率(15%)に至るまで親会社の国で課税軽課税所得ルール(Undertaxed Profits Rule(UTPR))軽課税国にある親会社等の税負担が基...
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