Q&Aコーナー 気になる論点(362) IASBによるのれんの公開草案(3)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が2024年3月14日に公表した公開草案(ED)「企業結合‐開示、のれん及び減損:IFRS第3号とIAS36号の修正提案」(のれんED)では、企業結合により期待されるシナジーの持続期間の開示を提案しています。その開示は、のれんの償却期間が見積り可能であることを示唆しているのではないでしょうか。 |
A
現行のIFRS第3号「企業結合」では、認識したのれんを構成する要因として、企業結合により期待されるシナジーなどの定性的な説明を開示することとしています。これに加えて、のれんEDは、シナジーの持続期間の開示やその期待は有限か確定できないかの開示も提案しています。それは、のれんが、消費される資産とみなされ得ること、また、のれんの償却期間が見積り可能であることを示唆しています。
〈解説〉
IFRS第3号の開示の改正案(1)‐2つの開示目的の追加
のれんEDでは、2020年3月公表のディスカッション・ペーパー(DP)「企業結合‐開示、のれん及び減損」へのフィードバックによると、企業は、現行のIFRS第3号の開示要件をチェックリストとして適用し、開示は定型文であることが多く、有...
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