新・経理実務最前線!Q&A 監査の現場から 第23回 固定資産の減損に関する監査実務
EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 川﨑 奏海
固定資産の減損会計は、会社にとって以下の背景から注目度が高く、減損損失を認識するか否かの判断は非常に重要となっています。・金額的影響が大きくなる場合が多く、財務指標に影響が出る・損益計算書上、減損損失は原則として特別損失とする必要があり、財務諸表上も注目度が高くなる・減損損失の計上は会社の投資判断の失敗を示唆することにもなりかねないため、利害関係者(投資家)からの関心が高い・下方修正という悲観的イメージから、短期的に株価が下がる可能性があるまた、会計監査人の立場からも、以下のような背景から注目度が高く、慎重に検討する必要があります。・減損会計には様々な見積りの要素や判断を要する事項が含まれており、実務上の論点が多岐にわたる・「監査上の主要な検討事項」(Key Audit Matters、以下「KAM」という。)では見積項目が対象となることが多い・会計監査人がKAM項目として選定した場合、実施した監査手続を監査報告書上で詳細に記述することとなるため、監査現場でも会社と深度ある議論が必要となるこのように、固定資産の減損は会社と会計監査人の双方から注目度が高い論点であることから、今回は固定資...
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