金融資産の減損に関する会計基準開発の審議状況と実務影響 第4回(最終回) ステップ4の審議の概要
有限責任 あずさ監査法人 金融統轄事業部 シニアマネジャー 公認会計士 今井 大介
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はじめに
前回までは、大手行を念頭に置くステップ2及びステップ3の審議概要と実務上の論点を解説したが、今回は、中小・地域金融機関を念頭に置いたステップ4の審議の概要を解説する。
なお、本稿の記載内容は、筆者の個人的な見解であり、筆者が所属する法人の見解ではない点や審議中の会計基準であるため、今後の審議により内容が変更となる可能性がある点には十分留意されたい。
〈掲載号の紹介〉
掲載号 | 内容 | |
第1回 | 5/27(No.3655) | ASBJにおけるこれまでの審議の振り返りと今後の想定スケジュール |
第2回 | 6/24(No.3659) | ステップ2及びステップ3の個別論点解説① |
第3回 | 7/29(No.3664) | ステップ2及びステップ3の個別論点解説② |
第4回(本稿) | 9/2(No.3668) | ステップ4の審議概要 |
1.中小・地域金融機関向け会計基準(ステップ4)で焦点を当てて審議された論点
ステップ4は「IFRS第9号を出発点として、適切な引当水準を確保したうえで実務負担に配慮した会計基準を目指す」ことを会計基準の目的としており、ステップ2と比較すると実務負担への配慮が多く行われている。
2023年11月にステップ4の審議を開始する...
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