作成者から見たIFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」の実務影響について(前編)

株式会社三井住友銀行 財務企画部 副部長 黒田 康平
株式会社三井住友銀行 財務企画部 グループ長 森 大

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国際会計基準審議会(以下、「IASB」という)は、本年4月に、IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」(以下、「IFRS第18号」という)を公表した。本件は、IASBが進める「基本財務諸表(Primary Financial Statements)プロジェクト」及びより幅広い「財務報告におけるコミュニケーションの改善」に関する作業の一環として開発されたものである。

IFRS第18号では、企業の財務諸表の様式の見直し、経営者が定義した業績指標(Management‐defined Performance Measures; MPMs。以下、「MPMs」という)の財務諸表での開示、情報の集約及び分解方法の明確化がなされている。以下、それぞれの項目について解説を行うとともに、 主要な事業活動として顧客にファイナンスを提供している企業、つまり金融機関の財務諸表がどのように変更されるのか、その一例を合わせて解説する。内容が多岐にわたることから、2回に分けて解説を行う。

なお、本稿は筆者の私見であり、筆者が所属する組織の見解を示すものではないことを、あらかじめ申し添える。

<今後の予定>

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