「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」の改正について

金融庁 企画市場局 企業開示課 課長補佐 面谷 将広
金融庁 企画市場局 企業開示課 係長 坂下 翔也

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1.はじめに

投資家が自己責任で行う金融商品投資に関して、合理的な判断ができる環境が整備されてはじめて可能となるため、金融商品取引法(以下、「金商法」という)において、ディスクロージャー制度を整備することにより、開示の側面から投資家保護を支えている。ディスクロージャー制度では、有価証券及びその発行者である上場企業等に関する情報が正確、公平かつ適時に開示されることが求められており、中でも、上場会社等に提出義務が課せられている有価証券報告書等(以下、「有報等」という)は、投資家の投資判断に大きな影響を及ぼすものとして、重要な位置を占めている。

こうした背景から、 金商法第24条 第1項本文において、有報等の提出について「やむを得ない理由」があるとして、あらかじめ内閣総理大臣の承認を得た場合にのみ、その提出期限を延長することが認められている。

金融庁では、今般、上場会社等の発行者(以下、「発行者」という)から有報等の提出期限の延長承認の申請があった際の取扱いの明確化を行うため、2024年10月25日に「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」(以下、「開示ガイドライン」...