<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第124回 リース(3)

 国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継

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アフタヌーンティー

「ヌン活」という言葉があるのを最近まで知らなかった。高級ホテルのカフェなどで提供されるアフタヌーンティーを楽しみ、その様子をSNSなどにアップして情報共有する活動を「ヌン活」と呼ぶそうだ。こんな言葉が生まれるくらい、アフタヌーンティーが日本でブームになったということだろう。

ところで、アフタヌーンティーは別名をローティーという。それは、アフタヌーンティーがゆったりとした客間のソファの高さに合わせた低いテーブルで楽しむお茶だからである。アフタヌーンティーに特徴的なあの3段重ねのティースタンドは、低いテーブルに合うよう工夫されたものなので、食事をする高さのテーブルにあの3段重ねのティースタンドを用いるのは、本来はおかしいのである。

アフタヌーンティーがブームとなったのは、その雰囲気が優雅であるからだろう。なぜ優雅なのかといえば、そもそもアフタヌーンティーというものが間食であるからだ。フォーマルなディナーにはまだ時間がある。しかし、お腹は空いた。そこで軽くサンドウィッチや小さなケーキを摘みたい。そんなイギリス貴族のご婦人の我儘からアフタヌーンティーが生まれた。ただ、ディナー前の...