「公開買付けの開示に関する留意事項について(公開買付開示ガイドライン)」の解説
金融庁 企画市場局 企業開示課 元 専門官 中村 浩
元 課長補佐 中川 雄介
課長補佐 面谷 将広
一 はじめに
金融庁は、2024年6月28日、「公開買付けの開示に関する留意事項について(公開買付開示ガイドライン)」(以下「本ガイドライン」という)の案を公表した。その後、2024年9月17日、パブリックコメント手続を経て本ガイドラインの策定が確定し2024年10月1日より適用を開始する旨を公表している。本ガイドラインは、発行者以外の者による株券等の公開買付けにかかる開示書類の審査を行う関東財務局に対して審査に当たっての留意事項を示すとともに、法令上記載が求められる開示事項等について考え方を示すことを目的としている。
本稿では、本ガイドラインについて、パブリックコメントに対する金融庁の考え方なども踏まえて解説する。なお、本稿において意見にわたる部分は、いずれも筆者らの個人的見解である。
二 本ガイドライン策定の経緯
金融庁における金融行政モニター制度に、公開買付けの事前相談に関して行政として指導方針等の説明をした方が良いのではないかとの意見が寄せられ、金融庁から指導方針の明確化を含む検討をする旨回答したことを踏まえ、本ガイドラインを策定した①。また、本ガイドラインは、現行の公開買付制度を前提...
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