不動産に係る新リース基準の実務ポイント 第1回 一般事業会社における借手の実務論点
EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 森 さやか
Ⅰ.はじめに
2024年9月に企業会計基準委員会(ASBJ)は、企業会計基準第34号「 リースに関する会計基準 」(以下、「リース会計基準」という。)及び企業会計基準適用指針第33号「 リースに関する会計基準の適用指針 」(以下、「リース適用指針」という。また、「リース会計基準」と「リース適用指針」を合わせて、「リース会計基準等」という。)を公表しました。リース会計基準等は、原則として、2027年4月1日以降開始される事業年度から適用開始となります(2025年4月1日以後開始する事業年度から早期適用も可能)。
この改正により、従来の借手のオペレーティング・リース処理(賃貸借処理)はなくなり、借手は原則としてすべてのリースのオンバランスが求められるなど借手の会計処理が大きく変更されることになります。財務諸表への影響として資産及び負債が増加するだけでなく、損益計算書やキャッシュ・フロー計算書への影響、さらにROA(総資産利益率)等の経営指標への影響も生じます(図表1参照)。加えて、リースに関する情報を収集するための業務プロセスやシステムへの影響も見込まれるため、リース会計基準の適用対象となる企業は、情...
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