IFRSをめぐる動向 第168回 「企業結合―開示、のれん及び減損」プロジェクトの最近の動向(2024年12月~2025年2月IASB会議での再審議)

PwC Japan有限責任監査法人 公認会計士 杉田佳代

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Ⅰ.はじめに

本連載は、主に国際会計基準審議会(IASB)の月次会議等における討議内容に基づき、IFRSをめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。今回は、2024年3月に公表された公開草案「企業結合‐開示、のれん及び減損」に関する、2024年12月以降のIASBの再審議の状況について説明します。

「企業結合‐開示、のれん及び減損」プロジェクトの過去の経緯の詳細については、本連載の 第136回 (No.3529)、 第143回 (No.3560)、 第146回 (No.3576)、 第150回 (No.3594)、 第156回 (No.3626)及び 第166回 (No.3684)の解説をご参照ください。

なお、本稿の内容は今後のIASBの審議状況によって変更される可能性があり、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りします。

2.直近のIASB会議の状況

2024年3月に公開草案「企業結合―開示、のれん及び減損」が公表され、IFRS第3号「企業結合」及びIAS第36号「資産の減損」の修正案について多数の利害関係者からフィードバックが寄せられました。また、公開草案の提案や質問には直接含まれて...