<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第131回 リース(10)
国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継
若者の車離れ
少し古いデータで恐縮だが、平成24年度版の国土交通白書の第Ⅰ部では、「若者の暮らしと国土交通行政」というタイトルで、当時の若年層の意識・行動に関して大変興味深いデータが示されている。その中で特に注目されたのが若者の車離れについての分析である。
1999年から2009年の間に30歳未満の男性の自動車普及率は、63.1%から49.6%へと、大きく減少している。詳しいデータはないが、当時の調査から15年以上経過した現在では、この傾向はもっと顕著になっているのではないかと推察する。
これに対して、筆者が20代であった1980年代では、独身男性にとって車を保有することは、何よりも優先されるべきことであった。多くの独身男性が、車を持っていないと何も始まらない、車を持つことによって初めて女性とデートする権利を獲得することができると思い込んでいた。ただ、車を保有するにはローンや、駐車場代の負担に耐える経済力が必要である。このため、収入のない学生が車を保有するのは、非常にハードルが高かった。にもかかわらず、筆者の学生時代には、自分の車を保有している学生が少なからずいた。彼らの中には、必死にバイト...
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