内部統制報告書の新しい記載の仕方 第4回 ターゲット2 取締役会等の監督機能と関係会社管理
Forvis Mazars Japan有限責任監査法人 公認会計士 高田康行
内部統制報告制度(通称J-SOX)の納得感を高めるコツは、トップダウン型のリスク・アプローチにあります。経営者による評価範囲の決定と監査人による内部統制監査が同アプローチに基づき実施されるため、直感的にそう思えます。
直感的だけでなく、ターゲット1では、内部統制基準の規定に従い評価範囲の決定を検討し、トップダウン型のリスク・アプローチに基づく対応結果を内部統制報告書の記載例に反映しました( 第3回 2.(1)参照)。ターゲット2では、訂正報告書や開示すべき重要な不備の事例を参考に、より各社の実態に即した同アプローチの内部統制報告書への反映を目指します。
1.全社的な内部統制が良好でない項目のあぶり出し
内部統制の整備状況の評価(デザインの検討 ① )やその前提となるリスクの識別・評価、そして見直しの難しさを克服するには、他社の不正事例等を「他山の石」とすることが有用です。
(1)訂正内部統制報告書の記載内容の改訂
2023年基準改訂とあわせて改正された訂正内部統制報告書については、内部統制府令及び同ガイドラインで定められています。訂正内部統制報告書には、訂正の対象となる内部統制報告書に「有効である」の記...
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