ミニファイル 内部通報制度と不適切会計

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2000年代以降頻発した企業不祥事を契機に、2006年に公益通報者保護法が施行された。企業内で法令違反や不正、ハラスメントを発見したとき、従業員などが通報・相談できる「内部通報制度」が整備され、企業に対しては通報者に対する解雇などの不利益な取扱いを行うことが禁止された。消費者庁の調査(2024年4月公表)では、内部通報制度を導入している企業のうち、不正発覚の端緒が「内部通報」の割合は77%に上った。

2024年に発生した上場企業の不適切会計事案の中には、「内部通報」を契機に発覚したと公表している企業がある。例えば、工事に係る原価の不適切な付替えや、子会社における取引先からのキックバックと不正な支...