Q&Aコーナー 気になる論点(391) のれんの償却・非償却
早稲田大学 大学院会計研究科 教授 秋葉 賢一
Q 2025年5月28日の日本経済新聞朝刊では、政府の規制改革推進会議がとりまとめた答申に、スタートアップの成長促進に向け、合併・買収(M&A)で生じるのれんをどう費用処理すべきか検討するよう盛り込まれたとしています。この提案では、のれんの非償却を提言しているのでしょうか。 |
A
2025年5月28日に公表された「規制改革推進に関する答申」では、直接的にのれんの非償却を提言しているわけではありません。当該答申において、金融庁は、企業会計基準委員会(ASBJ)の議論において、のれん会計処理の在り方を提案しているスタートアップ関係者の問題意識が十分くみ取られ、適切な議論が行われるよう、検討プロセスも含めフォローすることとしています。
〈解説〉
のれんの償却・非償却(1)‐スタートアップ育成5か年計画
日本にスタートアップを生み育てるエコシステムを創出し、第二の創業ブームを実現するため、政府は、2022年11月に「スタートアップ育成5か年計画」を閣議決定しました。同計画の「6.第三の柱:オープンイノベーションの推進」には、以下のとおり記載されています。
(6)M&Aを促進するための国際会計基準(IFRS)...
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