新リースの会計と税務の詳細解説 第3回 借手の会計処理①リース期間

-会計と税務の両面から考察-

 公認会計士・税理士 太田 達也

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Ⅳ 借手の会計処理

1.使用権モデルの採用

借手の会計処理については、IRFS第16号「リース」と同様の「使用権モデル」が採用されており、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区別はない。借手は、短期リースまたは少額リースに該当する場合を除いて、使用権資産およびリース負債を計上することになる。

具体的な会計処理については、後で詳説する。

また、すでに説明したように、リースの識別の規定により、現行の企業会計基準第13号ではリースとして取り扱われていなかったような取引等が新たにリースとして識別されることにより、リースの範囲が拡充する影響も大きい。

2.リース期間

(1)延長オプションおよび解約オプションの取扱い

①延長オプション・解約オプションの対象期間

リース期間の取扱いは、企業会計基準第13号に基づく場合と異なる期間となる可能性がある点に留意する必要がある。会計基準の内容は、次のとおりである。

リース期間は、リース契約書に定められた解約不能期間と一致する場合が多い。しかし、借手に延長オプションまたは解約オプションの権利があり、延長オプションの行使をすることが合理的に確実である場合および解約オプ...