<INTERVIEW>長岡 隆・IFIAR前議長に聞く IFIARの取組み/サステナビリティ保証/監査のAI活用

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公認会計士や監査法人等を監督する世界各国の規制当局で構成される監査監督機関国際フォーラム(International Forum of Independent Audit Regulators:IFIAR)。本誌は、アジアで初めてIFIAR議長を務め、2025年4月に退任した長岡隆氏(公認会計士・監査審査会(審査会)事務局長)にインタビューを実施した。議長としての取組みの成果のほか、サステナビリティ情報の保証や監査のAI活用、国内の動向など話をきいた(編注:所属・役職等は6月末時点)。

1.IFIARの活動と成果

―まずはIFIARの役割と活動について教えてください。

IFIARは、各国の独立した監査監督当局が連携する場として、2006年に設立された国際機関です。企業活動がグローバル化する中、資本市場の信頼性を担保するには、グローバルに一貫して高品質な監査を確保することが重要です。このため、IFIARでは、ワークショップやウェビナーなど様々なチャネルを通じて監査監督に係る知見や実務経験を共有し、メンバー当局の能力向上を図るとともに、監査法人のガバナンスや監査の魅力向上、監査を巡る新規課題等に...