ゼロから学ぶ 新リース会計基準 第12回 借手の会計処理④ 利息費用の配分、減価償却、設例

 公認会計士・税理士 内田 正剛

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前回までは、リース開始日の使用権資産・リース負債の計上について解説してきました。今回は、使用権資産・リース負債計上後に行う利息費用の配分と減価償却について解説します。また、設例を用いて、借手の会計処理の流れも確認します。

●連載の内容(※隔週掲載)

回数 概要
第9回 借手の会計処理① ルールの全体像
第10回 借手の会計処理② 借手のリース料
第11回 借手の会計処理③ 現在価値計算
第12回 借手の会計処理④ 利息費用の配分、減価償却、設例
第13回 リースの契約条件の変更

※以下第18回まで続く。連載の全体像は 第1回 をご覧ください。

1.利息費用の配分

借手のリース料には利息相当額が含まれており、第11回( No.3709・33頁 )で解説した現在価値計算により、リース負債と利息相当額に区分します。リース負債については、元本の返済として処理し、利息相当額については、支払利息として借手のリース期間にわたって配分します。

(1)どのように配分するか?

①原則:利息法

利息相当額を借手のリース期間にわたって配分するのは、リース負債が存在する期間にわたって利息が発生しているためです。配分は「利息法」という方法が原則です(新リース...