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国際税務研究 グローバルな組織再編成における税制適格判断上の基本的問題点

青山学院大学 名誉教授 渡辺 淑夫

( 126頁)

設例

1 日本法人であるA社は,同社を頂点とする企業グループを形成するものとして,国内外に多数の子会社,孫会社その他のグループ内法人をその傘下に擁しているが,現下の世界的に厳しい経済情勢の悪化の影響を受けて,グループ全体に著しい経営悪化が見られ,早急に改善に向う見通しも不透明であるところから,このような状況からの脱却を図るべく,先般来,グループ内法人の全部について,現在の経営状況の綿密な実態把握と,これに合わせて今後の経済情勢の変化に十分耐え得るだけの体力と将来性を有しているかどうかの総点検作業を行っているが,その結果を見極めつつ,今後数年をかけて,かつ,グループ外企業との事業提携をも視野に入れ...