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最近のニュース・トピックスを通して学ぶ 租税条約の理論と実際〈14〉サービスPE創設の意義

国際課税研究所 首席研究員 矢内 一好

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1 サービスPEが注目される理由

租税条約における恒久的施設(PE)の存在は,所得源泉地国における事業利得課税の要件ですが,コンサルタントが人的役務を提供して取得する所得に関する課税において,PEを認定して課税することになり,PE概念が拡大しました。換言すれば,支店等をPEとした「本源的PE要件」から,サービスPEは,その要件を拡大した「拡大PE」といえます。

OECDが進めるデジタル課税における検討において注目されているネクサス概念が,(物理的施設としてのPE)➡(サービスPE)➡(ネクサス概念)というプロセスで検討されています。その意味で,本来のPE概念の発展形態としてサービスPEについて本稿...