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先どり先よみ デジタル課税 第3回 なぜ国際的な課税原則が限界なのか?

税理士法人山田&パートナーズ 国際部 部門長/公認会計士・税理士 森口 直樹

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はじめに

前回 は,事業所得に関する現行の国際課税のルールについてお話しました。

今回は,なぜ現行の国際課税のルールが経済のデジタル化に対応できなくなってきたのかについて詳しく見ていきましょう。

現行の国際課税のルールのおさらい

自国内で事業活動を行っている外国法人(非居住者も含みます。以下同様)に対しては,その外国法人が自国内に支店等の恒久的施設(事業を行うための物理的な拠点のことです。英語でPermanent Establishmentといいます。頭文字をとって「PE」と略します。)をもっていなければその事業所得に対して課税することができないというルールになっています。このルールのことを「PEなけれ...