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[全文公開] 編集室だより

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◆タックス・ヘイブン対策税制については,平成29年度の税制改正で抜本的な見直しがされたばかりで,経済活動基準の充足性が問題となったような裁判例はまだないようです。しかし今後は,調査や再調査請求,審査請求などでさまざまな論点が生じてくる,との見方もあることから,改正前の適用除外要件等に関係する裁判例を中心に, 9月号 から3回にわたり,弁護士の河野良介氏に,実務対応における考え方を整理していただきました。いわゆるデンソー事件等のほか,来月号では学ぶべき点も多いといわれる納税者敗訴判決もとりあげます。(A.K)

◆本年2月から,OECDの「国際的コンプライアンス確認プログラム(ICAP)」が恒常的なプログラムとして行われています。ICAPは,税務当局との積極的な対話を志向する多国籍企業に対して,多国間の税務当局が協調してハイレベルなリスク評価などを行う取組みです。現在では,日本,米国,ドイツ,オランダ,シンガポールなどを含めた22か国がICAPに参加しています。恒常的プログラム移行後のICAPに参加するための申請書提出の最初の期限(本年9月30日)は既に過ぎていますが,この後も2022年3月末,9月末の申請期限が設けられており,以後も新たな申請日程が示されていくことになります。今号掲載の「 国際的コンプライアンス確認プログラム(ICAP)の概要について 」では,同取組みの主要な内容・特徴などについて概説しておりますので,今後の対応の参考のために是非ご一読下さい。(A.K)

◆国際税務データベースでWebセミナー「海外取引法人に係る税務調査~基本と心得~」(堀江知洋氏)が公開されました。ここ5年間の海外取引調査件数については約13,000件‾16,500件で推移しています。コロナ禍のなか,調査件数は減少傾向とはいえ,国税当局では海外取引法人等に対する取組みを強化しており,引き続き十分な対応が求められます。セミナーでは,税務調査のなかでも海外取引調査に焦点を当てており,その"いろは"が学べる内容となっています。国際税務担当または税務調査対応の担当になり,まだ間もない方にぜひご視聴いただきたい講座です。(Y.Y)

次号(2021 No.11)予告

誌上セミナー『外国子会社合算税制(CFC税制)に係る税務調査』

新連載『移転価格税制の素朴な疑問』

※変更となる場合があります。