※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

TP Controversy Report〈57〉 国別報告事項(CbCR)に関するアップデート

EY税理士法人  高垣 勝彦
EY税理士法人  甲斐荘 芳生
EY税理士法人  加藤 広紀

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BEPSコンプライアンス対応文書の一つである国別報告事項(CbCR)については、昨年12月末提出分より、若干、記載ルールが変更になっています。また、CbCRの税務当局における活用方法等についても、これまで様々な情報が提供されてきています。そこで今回は、CbCRに関するアップデートとして、これらの点について触れたいと思います。

1.CbCRの通達改正とその実務的対応

(1)改正の内容

CbCRにおいて、従来より、「他の構成会社等からの受取配当金」がその収入金額から除かれる一方で、当該受取配当金に対応する「税引前利益(損失)」「発生税額」及び「納付税額」については、除かないままとなっていました。そこで、(OECDでの改訂を受け)、令和元年12月18日に「法人課税関係の申請、届出等の様式の制定について」(法令解釈通達)が一部改正され、当該受取配当金に対応する「税引前利益(損失)」「発生税額」及び「納付税額」についても除いた上で報告することとなりました。適用は、2020年1月1日以降開始事業年度(≒2021年12月末提出分)からとなっています。

① 改正前

➢ 表1:CbCRの「税引前利益」は、他の構成...