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ケーススタディで解説 「外国税額控除の申告書」記載のポイント

 税理士 沼澤 隆太郎

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記載事例

【海外子会社から受領する配当、使用料並びに海外支店に係る外国税額控除】

中国子会社からの課税繰延配当、CFC課税済みのサウジアラビア子会社からの配当、韓国支店との内部取引の調整計算など

はじめに

我が国の法人税法では、内国法人に対する課税方式として「全世界所得課税方式」が採用されています。したがって、外国法人から受ける剰余金の配当等の額や外国支店等で生じた所得などの「国外源泉所得」にも我が国において法人税が課されます。一方で、国外源泉所得に対しては源泉地国の外国政府からも外国法人税が課されるのが通常であり、その場合は同一の所得に対して「国際的な二重課税」が生ずることになります。

この国際的二重課税を排除する仕組みとして法人税法では、①税額控除方式と②国外所得免除方式の二つの方式を併用しています。

一つ目の税額控除方式としては「外国税額の控除制度」( 法法69 )があります。内国法人が各事業年度において納付する「控除対象外国法人税の額」のうち、「控除限度額」に達するまでの金額をその事業年度の所得に対する法人税の額から直接控除して二重課税を排除する制度です。

二つ目の国外所得免除方式としては「外国...