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[全文公開] domestic news グローバル・ミニマム課税に係る改正政令が公布

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グローバル・ミニマム課税のIIR(国際最低課税額に対する法人税)に係る政令が、6月16日に公布された( 官報特別号外第49号 で「法人税法施行令の一部を改正する政令(政令208号)」等が公布)。同政令は令和6年4月1日から施行される。

改正政令では、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税について、①特定多国籍企業グループ等の範囲等(令155条の4~15)、②個別計算所得等の金額の計算等(令155条の16~33)、③調整後対象租税額の計算等(令155条の34、35)、④会社等別国際最低課税額の計算(令155条の36)、⑤帰属割合の計算等(令155条の37)、⑥国別グループ純所得の金額から控除する金額等(令155条の38等)、⑦再計算国別国際最低課税額等(令155条の40等)、⑧未分配所得国際最低課税額(令155条の42等)、⑨各種投資会社等に係る国際最低課税額の計算の特例(令155条の53)、⑩適用免除基準等(令155条の54~156条)などが新設され、「第四編 雑則」に⑪特定多国籍企業グループ等報告事項等の提供(令212条)が規定されている。

上記のうち②、③において、詳細は政令に委任されていた、実効税率を計算する際のベースとなる各構成会社等の「個別計算所得等の金額(法法82条二十六)」や、「調整後対象租税額(法法82条三十)」に係る計算方法が示されている。このうち、個別計算所得等の金額の計算については、計算の起点となる「当期純損益金額」の細目(令155条の16等)や、そこから加算・減算調整を行う様々な内容などが定められている(令155条の18~33)。また、調整後対象租税額の計算については、「対象租税の範囲」の細目(令155条の34)や、調整後対象租税額を計算するための規定(令155条の35)が定められている。これらにより多くの加減算項目等があることから、実際の計算を行う場面では、多岐に亘る情報収集や、複雑な計算対応が必要となるケースが発生することが考えられる。

また、改正政令の附則では、所在地国の判定に関する経過措置(3条)、国際最低課税額の計算に関する経過措置(4条)などについても規定されている。