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NEW ケーススタディ 外国法人の株式を保有する個人に対する外国子会社合算税制

 税理士 川野 弘道

( 112頁)

設例

私は日本の居住者ですが、BVI法人であるA社(8月決算)の株式を100%保有しています。A社は投資業を営む法人で、私がシンガポールに居住していた時に個人の資産管理会社として設立したものです。2年前、日本に帰国するにあたって運用資産を整理し、その後は未上場株式を保有するだけのペーパーカンパニーとなっていました。ところが、2023年4月にA社で長期保有していた株式を売却することになり、多額の売却益が生じています。2023年分の私の確定申告にあたり、何か注意すべき点はあるでしょうか。なお、A社に繰越欠損金はありません。

結論

外国子会社合算税制は、外国法人を利用した租税回避を抑制するため、一定の要件...