※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです
TP Controversy Report〈81〉 移転価格検証損益:コミッション取引の検証にCUP法分析が困難な場合
EY税理士法人 高垣 勝彦
EY税理士法人 川嶋 高司
( 119頁)
1.はじめに
日系メーカー企業においてオーソドックスな国外関連取引の商流として、日本の工場にて製品を製造、又は海外の製造子会社で製造した製品を買戻し、それを海外の販売子会社を通じて海外市場で販売することが挙げられる。
このような単線的な商流であれば、グループ内の移転価格ポリシーの運用はある程度シンプルになってくるものと思われるが、実際のビジネスにおいては上記の様に単純化された商流に集約することができないケースが見受けられる。例えば、通常の取引については上記のように日本親会社から仕入れた製品を海外販売子会社経由で販売しているものの、特定の製品又は顧客に対しては、顧客対応自体は当該販売子会社が行うもの...