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民法改正(相続編)による税務への影響 第3回 「遺留分に関する見直し」について

 税理士 石橋 將年

( 60頁)

Q.

税理士である私は、顧問先から今後の相続について相談を受けました。その顧問先(70歳代男性・妻は既に死亡)は、先祖代々の地主(不動産賃貸業)であり、広い自宅のほかに、多くの貸地・貸家を持っており、これら全てを長男に相続させる旨の遺言書を作成しています。

相続人は長男・長女の2人になります。長女は20年程前に結婚しましたが、昨年離婚したことから、生活面で苦労しているとのことです。

この顧問先は、先祖代々の土地を維持するため、銀行の勧めるままに相続税対策として、多額の銀行借入れをして、自身の土地に賃貸アパートを建築しました。しかし、借入金返済、建物の老朽化による家賃収入の減少等で、常に現預金が不足し...