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税金裁判の動向【今月のポイント】第203回 資本剰余金の減少を伴う剰余金の配当におけるみなし配当の計算規定
立命館大学法学部 教授 安井 栄二
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法人が他の法人から資本剰余金を原資とする剰余金の配当を受けた場合、 法人税法24条 1項4号の「資本の払戻し(剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)...)」に該当し、みなし配当の計算をすることになります。
それでは、資本剰余金及び利益剰余金をそれぞれ原資とする剰余金の配当を同時に受けた場合、その全額がみなし配当の計算の対象となるのでしょうか。今回は、この点が争われた事案をご紹介します。
資本の払戻しに係るみなし配当の計算
まず、資本の払戻しに係るみなし配当の計算方法について確認しましょう。
法人の株主等である内国法人が当該法人の法人税法24条1項4号にいう資本の払戻しにより金銭の交付を受けた...