※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

民法改正(相続編)による税務への影響 第4回 「配偶者居住権・配偶者短期居住権」について(前編)

 税理士 石橋 將年

( 64頁)

Q.

私(80 歳代男性)と妻(70 歳代)とは、30 年程前に結婚しました。現在の妻との間に子供はいませんが、前妻との間に子(50 歳代:長男)が一人います。

私の遺産のうち、自宅の土地建物は妻に遺贈する予定ですが、妻には兄妹がいますので、妻の死後は、自宅の所有権が、我が家とは関係のない遠縁の方々に渡ってしまうかもしれません。私の意向としては、妻には亡くなるまで自宅に住み続けてもらい、妻の死後は長男に住んでもらいたいと考えています。

ただし、妻と長男とは旧来から仲が悪く、長男に自宅を遺贈すると、妻の今後の生活が心配です。このような場合に対応できるよう、民法改正により「配偶者居住権」という制度が創設...