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消費税 令和2年度改正―2(居住用賃貸建物に対する仕入税額控除の制限(その1))

 税理士 熊王 征秀

( 109頁)

居住用賃貸住宅の取得費は、非課税となる住宅家賃に対応するため、本来仕入税額控除の対象とすることはできないのですが、作為的に金の売買を継続して行うなどの手法により課税売上げを発生させ、物件取得時の消費税の還付を受けるとともに、課税売上割合の変動による税額調整の規定を回避しようとする事例が散見されます。そこで、建物の用途の実態に応じて計算するよう、令和2年度改正では、「居住用賃貸建物」について、仕入税額控除制度を見直すこととしました。

今月からは、令和2年度改正のうち最もボリュームのある「居住用賃貸建物に対する仕入税額控除の制限」について確認していきます。

Q1 金の売買を利用した還付スキーム

令和2年...