※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

特集 基礎から学ぶ「信託」制度

 税理士 金子 真一

( 4頁)

はじめに

信託は財産を管理する仕組みであり、財産を入れる器・箱です。

信託はインフラとして、皆さんの身近で活用されています。その代表が投資信託です。でも、それが信託の仕組みを使って運営されているとはほとんど認識されていません。その必要がなかったということもありますが、信託の歴史が、信託法と信託業法、そして金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(兼営法)という法律で縛られていた上に、信託の担い手がほとんど信託銀行に限定されてきたことと関係があります。

その後、信託会社にも門戸が開かれましたが、この状態は2005年前後の信託法と信託業法が改正されるまで続きました。改正後は、信託の担い手が解放されるなど信...