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Selection Q&A CASE1 コロナ禍における財務強化のための「増資」の効用

 公認会計士・税理士 越田 圭

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Q 増資する場合の手続とその税務

当社は、10年ほど前に起業した同族会社で、飲食業や小売業などを多角的に展開しています。株式を譲渡したい場合は取締役会の承認が必要とされる、いわゆる譲渡制限会社に該当します。様々な業態があるため、新型コロナ禍の影響は少なく済んでいますが、前年に比べ財務状況は芳しくありません。なお、当社を完全支配する法人はなく、直近決算の期末時点で、資本金の額は20,000千円(全額金銭出資)、資本準備金の額は20,000千円、剰余金の額(任意積立金及び繰越利益剰余金の合計額)は40,000千円です。そこで、コンサルタントより、比較的体力のあるうちに財務強化の手段として増資を行った...