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事例で理解する「令和2年度税制改正」等の主要ポイント 第6回(最終回) グループ通算制度

 税理士 添田 大輔

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令和2年度税制改正では、連結納税制度が見直され、グループ通算制度に移行します。連結納税制度は、連結グループを一つの納税主体と捉えて連結所得を計算し、連結所得について親法人が申告・納税を行う制度でした。制度導入から18年が経過しましたが、実務的には所得計算や税額計算が煩雑である、税務調査が行われた場合の修正や更正に時間がかかるといった課題がありました。グループ通算制度への移行で、連結グループ内の損益通算を維持しながら、制度の簡素化による事務負担の軽減が期待されています。

本稿では、グループ通算制度のうち、制度開始時の税務上の処理について、連結納税制度との比較を交えながら解説します。

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当社(P社)は...