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法人税 法人税重要事例検討:貸倒損失等―2

 税理士 古川 浩二

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先月に引き続き、法人税の実務において重要、かつ、誤りやすいと思われる事例について検討します。

今月も、貸倒損失等に関する事例を取り上げます。

Q1 保証債務の履行前の貸付金計上の可否と手形で支払った保証債務の求償権の債権性の有無

当社(以下「A社」といいます。)は自動車販売の斡旋及び修理業を営む資本金1,000万円の9月決算法人です。

得意先のB社がC社から車両を購入する債務について、当社は、C社に対して2,000万円の債務保証をしていましたが、B社は、令和1年6月30日に手形の不渡りを発生させ、事実上倒産しました。

そのため、C社はB社に対して有していた売掛金1,200万円の代払いを、当社に請求しまし...