※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

税金裁判の動向【今月のポイント】第216回 定期同額給与の「不相当に高額な部分の金額」に係る実質的な判断と算定方法

香川大学法学部 教授 青木 丈

( 57頁)

【今月のポイント】

役員に対して毎月支給するような給与は、定期同額給与に該当すれば損金算入が認められますが、そのうち「不相当に高額な部分」がある場合には、その部分の金額は損金不算入とすることとされています。そして、その部分の有無の判定は、同業類似法人の役員給与の支給状況等に照らして相当と認められる金額を超えているか否かという実質的な判断によりなされることがあります。今回は、この判断に当たって、同業類似法人の役員給与の最高額を超える部分がこれに当たると判示された事例をご紹介しましょう。

事案の概要

X社(原告)は、自動車の輸出入事業等を目的とする内国法人(埼玉県内に所在)であり、マレーシアへの中古自動...