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法人税 法人税重要事例検討:貸倒損失等―5

 税理士 古川 浩二

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先月に引き続き、法人税の実務において重要、かつ、誤りやすいと思われる事例について検討します。

今月も、貸倒損失等に関する事例を取り上げます。

Q1 代表者の親族に対する貸付金の貸倒れの損金算入の可否

当社(以下「A社」といいます。)は電機製品製造業を営む資本金1,000万円の12月決算法人です。

取引先のB社は、当社の代表取締役甲の兄乙が経営する会社ですが、当社はこのB社に対して、運転資金として、平成28年12月期以前の3年間で5,000万円の貸付を行いました。

この貸付については、当社の取締役会の承認もなく、借用書、担保、弁済期限、利率等の約定は何も決められていません。甲は、A社を設立する前はB社に勤...