税理士　中島 孝一

はじめに

周辺の生活環境に悪影響を及ぼし得る空き家の数（「特定空き家等」の予備軍といえます。）は、毎年平均して約6.4万戸のペースで増加しています。

こうした空き家の発生を抑制することで、地域住民の生活環境への悪影響を未然に防ぐことが課題となっています。

本特集では、最初に、上記の現状を前提として、持ち家が「特定空き家等」（ⅠQ1-2・3（2）参照）になることを抑制するための特別措置法の仕組みを説明するとともに、持ち家が空き家等になると、その空き家等の維持・管理に相当程度の労力を要するものであることを確認します。

次に、本特集の主たるテーマである空き家等に関する税制の取扱いについて説明します。

税制のう...