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Selection Q&A CASE1 事業承継における遺留分の問題点と対応策Q 遺留分を侵害している遺言がある場合

 税理士 佐々木 泰輔

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先日、父が亡くなりました。母は既に他界していますので、私(長男)と弟2人(次男、三男)、妹(長女)1人の計4人が相続人となります。相続財産は下表の通りですが、父の会社(A社)の事業を私が継いでいることから、公正証書遺言により、A社株式及びA社が使用する事業用宅地を私が相続し、それ以外の財産は次男、三男、長女で3等分することとされています。なお、父から生前贈与により取得した資産はありません。弟妹は、法定相続分によれば本来1億円もらえるはずが、遺言書通りでは3,000万円に過ぎないのは納得できず、さらにはA社の事業が堅調で将来的な価値増加も考えると、私だけ「もらいすぎ」に思っているようで、遺留分侵...