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税理士が顧客に説明したい財務分析 第11回 上場会社の決算書を読むための会計知識

 公認会計士・税理士 久保 直生
 公認会計士・税理士 髙木 伸浩

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早いもので、本連載も第11回目になりました。前回までは、経営分析の様々な手法及び指標について取り上げてきましたが、今回及び最終回である次回では、少し切り口を変えて、中小企業の経営分析をより有効なものとするために、上場会社の決算書を読むための基本的な会計知識を、いくつかピックアップして解説します。今回は、固定資産の減損を取り上げます。

1. 固定資産の減損

(1)概要

現行の企業会計において、固定資産の評価にあたっては取得原価基準が適用され、取得原価から減価償却等を控除した金額で評価が行われています。しかし、固定資産の収益性が当初の想定よりも低下した場合には、その回収可能性を帳簿価額に反映させなければ...