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相続前にチェックしておきたい 近隣とのトラブルの法務と対応 第5回 土地が接する道路に関する問題(後編)
弁護士 松浦 絢子
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はじめに
一般的に、相続する土地の接する道路(前面道路)が私道である場合には、道路の通行やライフラインの設置をめぐりトラブルが生じやすいので特に注意する必要があります。私道はアスファルト舗装をされていて外観上は公道と区別がつかない状態であったとしても、基本的には私有地として扱われます。
したがって、私有地と同様に、私道所有者が私道を自由に使用・収益・処分をすることができます。これは、私道を、誰に・どのように使用させるかについて私道所有者が自由に決定できるということを意味します。例えば、私道所有者は私道を通行する人に通行料を請求することや、私道を閉鎖して通路として使用できないようにすることも一応可能...