※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

実務に活かす「行動経済学」第3回 ヒューリスティクス(1)

明治大学 情報コミュニケーション学部 専任講師 後藤 晶

( 78頁)

人間は、常に合理的に、ないしは論理的に意思決定を下しているわけではありません。人間は必ずしも論理的な思考だけを行っているのではなく、直感的に反応することもあるからです。その「反応のクセ」を知っておくことは、コンサルティング業務を含めた実務において非常に有用であるでしょう。

今回と次回の2回にかけて、「ヒューリスティクス」と呼ばれる個人が無意識のうちに使っている意思決定の方法を紹介します。

ヒューリスティクスとは、問題解決や不確実なことに対する意思決定を行う際に、明確な手がかりが無い時に用いる便宜的・発見的な方法のことです。方略、簡便法、発見法とも言われ、対義的にはアルゴリズムが挙げられます。このよ...