※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

税金裁判の動向【今月のポイント】第233回 節税目的による土地使用貸借契約の有効性に基づく駐車場収入の帰属

青山学院大学法学部 准教授 道下 知子

( 53頁)

親が所有する土地を子が無償で使用収益する使用貸借契約(民法593条)を結び、子がその土地を第三者に賃貸する場合があります。

一般に、このような契約に基づき作成した契約書は、処分証書という、その法律行為そのものが記載されている書面として尊重され、「特段の事情」がない限り、その記載内容の法律行為の存在が認められることとなります(これを処分証書の法理といいます。)。

それでは、節税目的であることを理由に締結した使用貸借契約書について、処分証書の法理における「特段の事情」があるとして、記載内容どおりの法律行為の存在が認められず、使用貸借契約が有効に成立していないと判断されることはあるのでしょうか。

今回は、...