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特集 効果的な生前贈与のケーススタディ

 税理士 若山 寿裕

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はじめに

高齢化社会を迎えた中で、世代間の資産移転の早期化を図るため、我が国は相続時精算課税や事業承継税制等、贈与税の特例となる施策を措置してきました。

一方で、特に富裕層とされる資産家においては、相続時の資産移転に係る税負担は重大な課題であり、低率課税による生前贈与を早い段階から繰り返し継続することが、資産移転に伴う税負担を低減させる方策の1つとして活用されています。

若年世代への資産移転を推し進める施策を措置する一方、近年では資産移転に伴う税負担の公平性と格差是正の必要性が議論のトレンドとなりつつあり、令和3年度税制改正大綱の中では、資産移転の時期に中立的な税制、いわゆる、「相続税と贈与税の一体...