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事例から学ぶ 失敗しないための原価計算の基本 第6回 製品別計算②

 公認会計士・税理士 久保 直生
 公認会計士・税理士 髙木 伸浩
 公認会計士 鈴木 伽奈子

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第6回は、 前回 に続き製品別原価計算のお話です。 前回 は、製品別原価計算のうち個別原価計算について、オーダーメイドの超高級車を例にしてご説明しました。今回は、製品の量産を行うような工場に適用される総合原価計算についてご説明いたします。実際の工場においては、この量産型の工場のほうが圧倒的に多いように思われます。

1 総合原価計算

個別原価計算は、高級家具、造船、航空機製造業のように、注文に応じて生産する受注生産に適用される原価計算であるのに対して、総合原価計算は、一般消費者向けの汎用製品について、需要予測に基づいて生産されるような企業に適用される原価計算手続です。鉄鋼業、家庭電器製品製造業、自動車製造業...