弁護士　松浦 絢子

賃貸不動産オーナーが接するトラブルとしては、入居中に起こるものが一番多いといえるでしょう。その中でも、設備などの不具合の修繕については日常的に対応が必要となります。

建物管理を不動産管理会社に委託している場合には、賃貸オーナー自身が修繕の手配をする必要はありません。しかし、賃借人から求められた修繕のうち、対応すべきものと対応不要のものを切り分けるのは賃貸オーナー自身が行う必要があります。不動産管理会社にすべてを任せてしまうと、法的に必要のない修繕費用も賃貸オーナーの負担となってしまうことがあります。

賃貸不動産の修繕に関しては、まず、法的にどの範囲の不具合について賃貸オーナーに修繕義務があるのか理...