※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

法人税 法人税重要事例検討:令和の判例・裁決例―1

 税理士 古川 浩二

( 94頁)

先月 に引き続き、法人税の実務において重要、かつ、誤りやすいと思われる事例について検討します。

今月からテーマを絞らずに令和の判例・裁決例を用いて検討を行います。今回は国税通則法に規定される「隠蔽・仮装」を取り上げます。

Q1 「事実を隠蔽する」及び「事実を仮装する」の意義

当社(以下「A社」といいます。)は、主に建物の総合管理の請負を目的とする3月決算法人です。最近、税務調査において架空外注工事が発覚しました。当社の従業員Gがその妻に指示して架空の請求書を作成させ、当社に交付することにより、外注費を計上させ、各金員を支払わせたものです。

税務署調査官からは、従業員Gによる行為は、国税通則法68条1項に...