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賃貸不動産オーナーのための トラブル解決対応 第4回 賃借料の滞納等

 弁護士 松浦 絢子

( 104頁)

賃貸借契約において、賃料の支払いは賃借人の重要な義務です。賃貸オーナーにとって、賃料の支払いが滞ると賃貸経営の収支に大きな影響が出ますので、当然ながら避けたい事態の1つといえます。賃料の滞納が発生すると、賃貸オーナーの気持ちとしてはすぐに賃貸借契約を解除して、新しい賃借人を入居させたいところです。

なぜなら、賃料滞納をする賃借人はそもそも支払い能力が乏しいことが多く、一度滞納が解消されてもまた繰り返す可能性が高いためです。賃料の回収を管理会社に委託していない場合、賃貸オーナー自身が何度も賃借人に督促や交渉をしなければならず、精神的にも時間的にも大きな負担を強いられます。

ところが、判例においては、...