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事例から学ぶ 失敗しないための原価計算の基本 第9回 直接原価計算
公認会計士・税理士 久保 直生
公認会計士・税理士 髙木 伸浩
公認会計士 鈴木 伽奈子
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これまで見てきた実際原価計算や標準原価計算では、販売量に関係なく発生する費用(例えば生産管理業務を行う社員の給料や、設備の減価償却費等)も最終的にすべて製品に集計しました。このような原価計算は、製造原価の全部を集計するので、「全部原価計算」と呼ばれます。これに対して、原価を変動費と固定費に区分し、変動費のみを製品に集計する原価計算を「直接原価計算」と呼びます。
直接原価計算は、その名の通り原価計算方法の1つですが、その考え方は利益管理や経営上の意思決定を行う上でも大変重要な役割を果たします。今回は、この直接原価計算について、全部原価計算と比較しながら見ていきます。
1 直接原価計算VS全部原価計算...