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Selection Q&A CASE 2 資本剰余金の額を原資とした外国子会社からの配当を受けた場合の取扱い

 税理士 前 正男

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Q

A社は、大手ゼネコンの上場法人(資本金100億円、3月決算)です。

B社は、2012年4月にA社の100%出資で米国に設立された子会社です。同社は、A社が米国に建設した建物等のテナントの地代家賃等の管理業務を請け負っています(資本金55万ドル、3月決算)。

B社は、下記の貸借対照表のとおり、資本剰余金の残高から4,000万円を利益剰余金へ振り替えることにより利益剰余金の残高を3,000万円とし、2021年6月30日のB社取締役会の決議を経て同額を利益配当(利益剰余金からの配当)として、配当金3,000万円を7月10日にA社へ送金してきました。

A社は、完全支配関係のあるB社からの配当金の原資が資本...